Date. 2025.04.19

住宅のユニバーサルデザイン化とは?バリアフリーとの違いやリフォーム例

ユニバーサルデザインとは?

近年、少子高齢化や多様なライフスタイルの広がりを背景に、「ユニバーサルデザインを取り入れたリフォーム」が徐々に広がりを見せはじめています。「ユニバーサルデザインを取り入れたリフォーム」とは、年齢や障がいの有無、文化・言語の違いに左右されず、「誰もが同じ空間を安全かつ快適に利用できる」住まいづくりを目指す考え方のことを指します。

この記事では、「ユニバーサルデザイン化リフォーム」の基本理念と、具体的なリフォーム案についてご紹介していきます。将来の住まいや家族構成の変化にも柔軟に対応できる指針として、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

ユニバーサルデザインの7原則とは?

そもそもユニバーサルデザインとは、米国ノースカロライナ州立大学のロナルド・メイス氏が提唱した「7原則」に基づいています。住空間へ応用する際は、以下の観点を満たす設計かどうかを確認しましょう。

  1. 公平性:誰もが同じ方法で利用できる
  2. 柔軟性:利用者の好みや能力に幅広く対応できる
  3. 直観性(シンプル):使い方を直感的に理解できる
  4. 認知容易性(わかりやすさ):視覚・聴覚など感覚差に左右されず情報取得できる
  5. 安全性:ミスが重大事故につながらない構造
  6. 省体力性(身体への負担の少なさ):無理な姿勢や大きな力を必要としない
  7. スペースの確保:動作に十分なスペースが確保されている

これらを満たすことで、単なるバリアフリーを超えた「誰にとっても使いやすい住まい」を実現することが可能になります。

ユニバーサルデザインを取り入れた住宅リフォームとは?

ユニバーサルデザインを取り入れた住宅リフォームでは、7原則に沿って段差・温度差・視認性・操作性・動線の五大要素を総合的に最適化することが大切です。

具体的には、床や敷居の段差をなくして車いすとベビーカーの共用を可能にしたり、滑りにくい床材と断熱を組み合わせて転倒とヒートショックを同時に防止したりするリフォームなどが当てはまります。さらに、センサー式照明やハンズフリー水栓など「触れずに操作できる設備」を採用することで、子どもから高齢者まで等しく快適に過ごせる環境を整えることができます。

ユニバーサルデザインとバリアフリーの違い

ユニバーサルデザインとバリアフリーはいずれも「暮らしの障壁を取り除く」考えから生まれていますが、対象範囲とアプローチが異なります。

バリアフリーは主に高齢者や障がい者など“機能的ハンディキャップ”を持つ人の困難を解消する対症療法であるのに対し、ユニバーサルデザインは、年齢・国籍・ジェンダーを問わず「誰もが同じ操作や導線で利用できる」状態を目指す予防医学的アプローチであると言えます。

バリアフリーリフォームについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。

>>バリアフリーリフォームとは?工事内容毎の費用や使える補助金・減税制度|アネシスリフォーム リ;コーデ

ユニバーサルデザインを取り入れた住宅リフォームの例

ここからは、実際にユニバーサルデザインを取り入れた住宅リフォーム事例を、住宅のエリア別にご紹介していきます。

たとえば玄関や浴室など生活動線上の要所を整えることで、家族全員の安全性と快適性が飛躍的に向上します。段差解消や手すり設置といった欠かせないリフォームから、最新IoT設備まで、具体的なリフォームアイデアをチェックし、自宅をユニバーサルデザイン化するためのポイントを見つけましょう。

また、介護保険や補助金を活用すれば、コストを抑えながら将来の安心も確保することが可能です。

玄関・エントランスのユニバーサルデザイン化リフォームの例

玄関・エントランスのユニバーサルデザイン化リフォームの例は以下の通りです。

段差の解消

框(かまち)と土間をフラット化し、アプローチには緩勾配スロープを敷設することで、車いす・ベビーカー・重いキャリーケースもシームレスに出入りできるようになります。

※框とは、玄関など住宅の段差部分に用いられる化粧横木のことを指します。

扉幅の拡大(引き戸・親子ドアなど)

有効開口幅900mm以上を確保し、引き残しゼロの引き戸や親子ドアで通行自由度を向上することができます。また、建具はソフトクローズ機構付きにすることにより、指挟みリスクを低減できるため、住宅のユニバーサルデザイン化の促進につながります。

センサー付き照明の設置

リフォームでセンサー付き照明を設置することで、両手がふさがっていても自動点灯するようになります。また、夜間の帰宅時に足元を照らしてくれるので安心ですし、消し忘れも防止できます。なお、停電時は非常灯へ自動切替できる1台2役タイプが安心です。

なお、玄関ドアをリフォームするメリットや費用の内訳、利用可能な補助金などについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。

>>2024年最新|引き戸やおしゃれな玄関ドアのリフォーム費用・補助金|アネシスリフォーム リ;コーデ

廊下・階段のユニバーサルデザイン化リフォームの例

廊下・階段のユニバーサルデザイン化リフォームの例は以下の通りです。

通路幅の拡大

通路幅を壁芯1,200mmを目安に拡幅することで、車いす同士のすれ違いにも対応できるようになります。また、コーナーにはR出隅を採用することで、接触時の衝撃を緩和することも可能です。

手すりの設置

手すりをリフォームで設置することで、階段を登ったり廊下を歩行したりするのが楽になります。また、廊下端部を壁側に折り返することで、衣類の引っ掛かかったり、階段から転倒したりするリスクを予防することができます。

滑り止め加工・色分け照明の導入

廊下の踏板にノンスリップ材を埋め込むことで、滑り止めの防止になります。また、ステップライトは段差を強調する温白色、壁面灯は眩しさを抑えた間接光にすることで、階段や廊下の視認性を高める効果が期待できます。

なお、廊下や階段のリフォーム内容や費用について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

>>廊下の床が抜けそう?廊下の床リフォームの種類や張り替え費用|アネシスリフォーム リ;コーデ

>>急な階段を緩やかに改善!階段リフォームの費用相場やメリット|アネシスリフォーム リ;コーデ

リビング・ダイニングのユニバーサルデザイン化リフォームの例

リビング・ダイニングのユニバーサルデザイン化リフォームの例は以下の通りです。

オープンプラン・フラット床の採用

段差を排除し、家具配置を自由に変えられるワンルーム構成にすることで、車輪移動でも引っ掛かりがなくなり、お掃除ロボットも稼働しやすくなります。

調光・センサー式照明の配置

調光・センサー式照明を設置することで、昼は自然光を活かし、夜は位置情報連動LEDで“人のいる場所だけ”を必要照度に自動調整してくれます。これにより、光熱費を抑えながら視環境を最適化することが可能となり、住宅のユニバーサルデザイン化を進めることができます。

家具・収納の最適配置

動線幅900mmを確保しつつ、壁面収納を採用することで転倒の原因になる物を減らすことができます。

なお、リビングのリフォーム内容や費用について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

>>張り替え?上張り?6畳や20畳の床・フローリングをリフォームする費用|アネシスリフォーム リ;コーデ

>>おしゃれな部屋に大変身!壁紙・クロスの張り替えリフォームの費用相場や注意点|アネシスリフォーム リ;コーデ

キッチンのユニバーサルデザイン化リフォームの例

キッチンのユニバーサルデザイン化リフォームの例は以下の通りです。

作業台・収納の高さ調整

キッチン作業台を自身に最適な高さにすることで、座位でも立位でも自然な腕角度となり、家事による腰と肩の負担を軽減することできます。なお、最適な高さは身長によって異なり、「身長(センチ)÷2+5(センチ)」によって算出することが可能です。

引き出し式収納の採用

奥行きいっぱいまでワンアクションで引き出せるフルスライド収納を採用することで、収納空間を無駄なく利用することができます。また、グリップは握りやすいバー形状にすることで、高齢者の方やお子様でも簡単に開閉が可能になります。

レバー式・タッチ式水栓の導入

指一本または手の甲でも操作できるシングルレバー+タッチセンサーの水栓にリフォームすることも、住宅のユニバーサルデザイン化への一歩となります。また、自動止水機能付きの水栓にすることで、節水と止め忘れ防止を両立することが可能です。

キッチンリフォームの工事内容や費用相場などについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。

>>キッチンのリフォームは何ができる?工事内容ごとの費用相場や工期|アネシスリフォーム リ;コーデ

洗面所・トイレのユニバーサルデザイン化リフォームの例

洗面所・トイレのユニバーサルデザイン化リフォームの例は以下の通りです。

高さ調整可能な洗面台設置

上下150mm昇降する昇降台+奥行きゆったりボウルで、車いすの方が利用する際の前面スペースを確保することができます。

洋式便器・手すりの設置

ふた自動開閉+オート洗浄便器を採用し、さらにL型手すりをリフォームで設置することで、立ち座りをサポートできます。また、補助者が並立できるスペースを、トイレ内にリフォームで確保することも重要です。

広い動線の確保

引き戸化と壁埋め込み収納で、洗面所やトイレのスペースを拡大することができます。また、自動点灯するフットライトを採用することで、夜間など暗く視界が悪い条件での転倒リスクを下げる効果も期待できます。

トイレ・洗面所リフォームの工事内容や費用相場などについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。

>>トイレのリフォーム内容と価格相場・工期目安|アネシスリフォーム リ;コーデ

>>洗面所(洗面化粧台・洗面台)リフォームの費用相場や工期・流れ|アネシスリフォーム リ;コーデ

>>システムタイプ?ユニットタイプ?洗面化粧台の種類と特徴|アネシスリフォーム リ;コーデ

浴室のユニバーサルデザイン化リフォームの例

浴室のユニバーサルデザイン化リフォームの例は以下の通りです。

バリアフリー設計(段差解消、手すり設置、低い浴槽)

既存床を解体して洗面室との高低差ゼロにリフォームすることも、住宅のユニバーサルデザイン化につながります。また、浴槽またぎ高さを45cm以下したり、周囲に水平手すりを設たりすることで、安全な入浴姿勢を支援することができます。

すべりにくい床材の採用

浴室の床を温触感に優れたエンボス加工樹脂床にリフォームすることで、水はけも速くなり、入浴後の転倒事故を大幅に減らす効果が期待できます。

浴室暖房乾燥機の導入

ヒートショック対策として浴室暖房乾燥機を導入することで、入浴前に予備暖房として機能します。また、梅雨は衣類乾燥、夏は送風でカビ予防と四季を通じて快適に過ごすことが可能です。

浴室リフォームの工事内容や費用相場について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

>>寒い?汚れが落ちない?築30年のお家にオススメのお風呂リフォームや費用|アネシスリフォーム リ;コーデ

共用スペースのユニバーサルデザイン化リフォームの例

共用スペースのユニバーサルデザイン化リフォームの例は以下の通りです。

段差の全面解消

ガレージから玄関、リビングまで床の高さ・段差を解消し、敷地内すべてを段差なしで移動可能にすることで、転倒のリスクを減らすことができます。

自動照明・タイマー付き照明の配置

共用廊下やポーチに太陽光センサー+タイマーを設置することで、省エネと防犯を両立し、住宅のユニバーサルデザイン化を促進することができます。

広い動線の確保

住宅の廊下や玄関に、曲がり角を90mm以上丸めたコーナーと、1,500mm角の回転スペースを要所に設けることで、歩行器やストレッチャーも円滑に旋回できるようになります。

ユニバーサルデザイン化リフォームなら「アネシスリフォームリ;コーデ」へ

ユニバーサルデザイン化リフォームは、すべての人にとって快適な暮らしを実現することを目的としています。段差や温度差、視認性、操作性、動線を一体的に最適化することで、車いすやベビーカーを問わず「誰もが安全・快適に暮らせる住まいづくり」が可能になるでしょう。

この記事でご紹介したように、ユニバーサルデザイン化リフォームの実例を参考に、ぜひ「誰もが暮らしやすい住まい」を手に入れる第一歩を踏み出してみてください。

なお、熊本県でユニバーサルデザイン化リフォームを行いたいと思っている場合は、「アネシスリフォームリ;コーデ」が全力でサポートいたします。ユニバーサルデザイン化リフォームについてのご相談は、「アネシスリフォームリ;コーデ」までお気軽にお問い合わせください。

>>お問い合わせ|アネシスリフォーム リ;コーデ

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