Date. 2025.09.16

屋根を屋上やルーフバルコニーに後付けリフォーム可能?費用や後悔ポイント

屋根をリフォームして屋上やルーフバルコニーを後付け可能?

「屋根を有効活用して、開放的な屋上やおしゃれなルーフバルコニーが欲しい」
「今の家に、後付けで屋上を作ることはできるのだろうか?」

戸建て住宅にお住まいの方なら、一度はそんな夢を抱いたことがあるかもしれません。屋上やルーフバルコニーは、洗濯物を干すだけでなく、ガーデニングやBBQ、子どもの遊び場など、暮らしの可能性を大きく広げてくれる魅力的な空間です。

結論から言うと、現在の屋根をリフォームして屋上やルーフバルコニーを後付けすることは、多くの場合で可能です。ただし、建物の構造や屋根の形状、法律上の規制など、クリアすべき条件がいくつか存在します。

基本は可能だが屋根の形状や家の構造によっては難しい場合も

一般的な三角屋根(切妻屋根や寄棟屋根など)の住宅を屋上にする場合、まず屋根を撤去し、水平な「陸屋根(りくやね・ろくやね)」または「フラット屋根」に変更する大規模な工事が必要です。

また、屋上を設置するということは、建物が常に重さに耐え続けることを意味します。そのため、建物の構造自体が屋上の荷重に耐えられる設計になっているかどうかが極めて重要です。特に木造住宅の場合は、鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート)造に比べて構造的な制約が多くなる傾向にあります。

既存の住宅の構造によっては、補強工事が追加で必要になったり、最悪の場合はリフォーム自体が難しかったりするケースも考慮しておきましょう。

建築基準法や耐震性の確認が必須

屋上やルーフバルコニーを後付けするリフォームは、建物の構造に大きく関わるため、建築基準法を遵守しなければなりません。特に以下の2点は必ず確認が必要です。

  • 耐震性:屋上を設置すると建物の重量が増し、重心が高くなるため、地震時の揺れが大きくなる可能性があります。そのため、専門家による精密な構造計算を行い、現在の耐震基準を満たしているか、必要であればどのような補強工事が必要かを確認することが不可欠です。
  • 建ぺい率・容積率:屋上に設置するペントハウス(昇降階段を覆う小屋)などが建築面積に含まれる場合、敷地に対する建ぺい率や容積率の上限を超えてしまう可能性があります。自治体の条例も関わるため、設計段階で建築士などの専門家に相談しましょう。

安全に関わる重要なポイントですので、信頼できるリフォーム会社に必ず現地調査と詳細な確認を依頼してください。

屋上とルーフバルコニーの違い

「屋上」と「ルーフバルコニー」は混同されがちですが、厳密には異なります。それぞれの違いを理解しておきましょう。

  • 屋上:建物の最上階の屋根部分を平らにして、人が利用できるようにしたスペースのことを指します。「ルーフガーデン」や「屋上庭園」とも呼ばれます。
  • ルーフバルコニー:下の階の屋根(ルーフ)部分を利用して作られたバルコニーのことを指します。一般的なベランダやバルコニーよりも広いスペースを確保できるのが特徴です。

自宅のどの部分をリフォームしたいのかによって、工事の内容や費用が大きく変わるため、この違いを把握しておくことが大切です。

なお、インナーバルコニーについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。

リフォームで人気の「インナーバルコニー」とは?メリット・デメリットや事例

屋根を屋上やルーフバルコニーにリフォームするメリット

手間や費用をかけてでも手に入れたい、屋上やルーフバルコニーのある暮らし。ここでは、その具体的なメリットを4つご紹介します。

洗濯物や布団を干すスペースが広がる

屋上やルーフバルコニーの最大の魅力の一つは、広々とした物干しスペースが手に入ることです。日当たりと風通しが抜群なため、たくさんの洗濯物や大きな布団、シーツなども一度に、そして気持ちよく乾かすことができます。家族が多いご家庭にとっては、日々の家事の負担を軽減してくれる大きなメリットと言えるでしょう。

ガーデニングや家庭菜園を楽しめる

日当たりの良い屋上は、ガーデニングや家庭菜園に最適な環境です。プランターで季節の花を育てたり、ハーブや野菜を栽培して収穫を楽しんだり、自宅にいながら土いじりを楽しめます。地上に庭がない住宅でも、緑豊かなプライベートガーデンを持つ夢が叶います。

子どもの遊び場やペットのドッグランとして活用

フェンスや手すりをしっかり設置すれば、屋上は安全なプライベート空間になります。夏にはビニールプールを出して水遊びをしたり、走り回ったりと、子どもたちがのびのびと遊べるスペースとして大活躍するでしょう。また、ペットを自由に遊ばせられるドッグランとして活用するのもおすすめです。

テーブルを置いて第二のリビングに

屋上にテーブルセットやソファを置けば、空の下の「第二のリビング」が生まれます。天気の良い日には友人を招いてバーベキューを楽しんだり、夜には星空を眺めながら夫婦でお酒を飲んだりと、日常を豊かにする特別な時間を過ごせるでしょう。家にいながらアウトドア気分を満喫できる、贅沢な空間です。

屋根を屋上にリフォームする費用

既存の屋根を屋上へとリフォームする場合、屋根の形状変更から防水工事、安全対策までを含む大規模な工事となります。

屋根を屋上にリフォームする費用は300万円~1,000万円

屋根を屋上にリフォームする費用は、既存の住宅の構造や規模、使用する資材によって大きく変動しますが、一般的に300万円~1,000万円程度が相場です。特に、三角屋根から陸屋根への変更や、大規模な構造補強が必要になる場合は、費用が高くなる傾向にあります。

屋根を屋上にリフォームする費用の内訳

屋根を屋上にリフォームする主な費用の内訳は、以下の通りです。

陸屋根(フラット屋根)への変更費用

既存の三角屋根を撤去し、平らな陸屋根を新たに作るための費用です。骨組みの工事や下地作りなどが含まれ、リフォーム全体の費用の中でも大きな割合を占めます。

  • 費用相場:100万円~

防水工事の費用

陸屋根は雨水が溜まりやすいため、雨漏りを防ぐための防水工事が不可欠です。FRP防水、ウレタン防水、シート防水など様々な工法があり、それぞれ耐久性や費用が異なります。建物の状況や予算に合わせて最適な工法を選ぶことが重要です。

  • 費用相場:50万円~

フェンスや手すりの設置費用

屋上からの転落を防ぐため、フェンスや手すりの設置は法律で義務付けられています。アルミ製やステンレス製、デザイン性の高いガラス製など、素材によって費用が変わります。

  • 費用相場:30万円~

その他、構造補強工事やペントハウスの設置、床材(ウッドデッキやタイル)の設置など、希望する仕様によって追加費用が発生します。

屋根をルーフバルコニーにリフォームする費用

1階部分の屋根などを利用してルーフバルコニーを設置する場合、屋上へのリフォームよりも工事の規模は小さくなります。

屋根をルーフバルコニーにリフォームする費用は50万円~300万円

ルーフバルコニーを後付けする際の費用相場は、およそ50万円~300万円です。防水工事や手すりの設置が主な工事内容となりますが、出入りするためのドアや窓を新設する場合は追加で費用がかかります。

なお、屋根の葺き替え等のリフォーム費用について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

屋根リフォームの費用相場は?ガルバリウム等おすすめの屋根材も解説

屋上やルーフバルコニーの後付けリフォームでよくある後悔と対策

憧れの屋上リフォームですが、計画段階での確認不足から後悔につながるケースも少なくありません。ここでは、よくある後悔のポイントと、それを防ぐための対策を解説します。

大規模なリフォームになるので工期が長くかかった

屋根の形状変更を伴うリフォームは、数ヶ月単位の長い工期が必要になる場合があります。また、天候に左右されやすく、工事が中断して予定よりさらに長引くケースも存在します。

【対策】
リフォームの計画は、時間に余裕を持って進めましょう。また、工事期間中の生活への影響(騒音、駐車スペースなど)についても、事前にリフォーム会社とよく打ち合わせておくことが大切です。

雨漏りのリスクが高まりメンテナンスが大変

陸屋根は構造上、雨漏りのリスクが三角屋根よりも高まります。防水層のわずかなひび割れからでも水が浸入し、建物全体に深刻なダメージを与える可能性があります。

【対策】
防水工事の実績が豊富な、信頼できる業者を選ぶことが最も重要です。また、施工後も定期的なメンテナンス(排水溝の清掃、トップコートの塗り替えなど)を欠かさず行い、防水層の劣化を未然に防ぎましょう。

夏は暑く冬は寒いため断熱対策が必要だった

屋上ができたことで、その直下の部屋が「夏は暑く、冬は寒い」と感じるようになるケースは非常に多いです。これは、屋根が直射日光や外気の影響を直接受けるようになるためです。

【対策】
リフォームの際に、屋根の断熱工事も併せて行うことを強くおすすめします。断熱材を入れることで、室内の快適性が向上し、冷暖房の効率もアップします。

プライバシー対策を怠り近隣の目が気になる

屋上は開放的な空間である一方、周囲の建物から見えやすいというデメリットもあります。「隣の家の窓と目が合って気まずい」「道路から丸見えで落ち着かない」といった後悔の声も存在します。

【対策】
設計段階で、周辺環境を考慮したプライバシー対策を行いましょう。目隠し効果のある高さのあるフェンスを設置したり、パーゴラ(藤棚)やオーニング(日よけ)を活用したりするのも有効です。

水道やコンセントがなく不便だった

「屋上でガーデニングやBBQをしようと思ったら、水道がなくて不便だった」「夜間の照明やイルミネーションを楽しみたいのにコンセントがない」というのも、よくある後悔の一つです。

【対策】
屋上をどのように活用したいかを具体的にイメージし、必要な設備を計画に盛り込みましょう。水道栓や防水コンセント、照明などを設置しておくと、活用の幅が格段に広がります。

固定資産税が高くなった

屋上を設置すると、建物の資産価値が上がったと見なされ、固定資産税が増額される場合があります。税額は自治体や建物の評価によって異なります。

【対策】
リフォーム前に、管轄の自治体の窓口や税理士に相談し、税額がどの程度変わる可能性があるのかを事前に確認しておくと安心です。

屋根を屋上やルーフバルコニーにリフォームするなら「アネシスリフォーム」

屋根を屋上やルーフバルコニーにリフォームする工事は、デザイン性はもちろん、建物の構造や防水、法律に関する高度な知識と技術が求められる専門的なリフォームです。

屋上リフォームの成功の鍵は、経験豊富で信頼できるパートナー(リフォーム会社)を見つけることにあります。

もし熊本県でのリフォームをご検討中でしたら、ぜひ「アネシスリフォーム」にご相談ください。お客様一人ひとりのご要望に寄り添い、確かな技術力で理想の屋上リフォームをサポートいたします。

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