屋根リフォームの費用相場を工法別に紹介
屋根リフォームは、大きく分けて「葺き替え」「カバー工法(重ね葺き)」「塗装」の3つの工法があり、それぞれ費用が大きく異なります。現在の屋根の状態や使用されている屋根材、ご予算に合わせて最適な工法を選ぶことが大切です。
ここでは、一般的な30坪(屋根面積約60㎡)の戸建て住宅を想定した費用相場をご紹介します。
屋根を「葺き替え」する場合の費用相場
費用相場:80万円~200万円
※費用には、既存屋根材の撤去・処分費、下地補修費、新しい屋根材の材料費・工事費、足場代などが含まれます。
屋根の「葺き替え」は、既存の屋根材をすべて撤去し、下地である野地板から新しくする本格的なリフォーム方法です。屋根材だけでなく、その下の防水シートや野地板のメンテナンスもできるため、屋根の寿命を大幅に延ばすことができます。
「葺き替え」は、雨漏りが進行している場合や、屋根の下地まで劣化している場合に最適な工法です。他の工法に比べて費用は高くなりますが、根本的な解決につながるため、長期的に見れば安心感が高い選択肢といえるでしょう。
屋根を「カバー工法(重ね葺き)」する場合の費用相場
費用相場:60万円~150万円
屋根の「カバー工法」は、既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねて設置する方法で、「重ね葺き」とも呼ばれます。
既存屋根の撤去費用や処分費用がかからないため、葺き替えに比べてコストを抑えられ、工期も短縮できるのが大きなメリットです。また、屋根が二重になることで、断熱性や遮音性の向上が期待できる場合もあります。
ただし、カバー工法が可能なのは、主に「スレート」や「金属屋根」など軽量な屋根材の場合に限られます。瓦屋根のように重量のある屋根材の上から重ねることはできません。また、下地の劣化が激しい場合にも適用できないため、事前のしっかりとした診断が重要です。
屋根を「塗装」する場合の費用相場
費用相場:30万円~60万円
屋根塗装は、屋根材の表面に新しい塗料を塗るメンテナンス方法です。屋根材自体に大きなダメージがなく、ひび割れやサビなどの軽微な劣化の場合に行われます。
塗料が屋根材をコーティングすることで、防水性を回復させ、見た目を美しく蘇らせることができます。遮熱性や断熱性の高い塗料を選べば、住まいの快適性を向上させることも可能です。
屋根塗装は3つの工法の中では最も費用を抑えられますが、あくまで表面的なメンテナンスであり、屋根材自体の寿命を延ばすものではありません。定期的な塗り替えが必要になる点を理解しておくことが大切です。
屋根リフォームでおすすめの材料
屋根リフォームの費用や家の性能は、使用する屋根材によっても大きく変わります。ここでは、現在日本の住宅で広く採用されている代表的な屋根材の特徴と、それぞれの屋根材でリフォームした場合の費用相場を紹介します。
スレート|最も普及している一般的な屋根材
スレートは、セメントを主成分とした薄い板状の屋根材で、「カラーベスト」や「コロニアル」とも呼ばれます。現在の日本の戸建て住宅で最も広く普及しており、デザインやカラーバリエーションが豊富な点が魅力です。比較的安価で、さまざまな住宅デザインに合わせやすいことから人気があります。
ただし、素材自体は塗装によって防水性が保たれているため、定期的な塗装メンテナンスが必要です。また、衝撃に弱く、ひび割れや欠けが生じやすいという側面もあります。
「スレート」で屋根リフォームした場合の費用相場
- 葺き替え: 80万円~150万円
- カバー工法: 60万円~120万円(※既存屋根がスレートの場合)
- 塗装: 30万円~50万円
ガルバリウム鋼板|耐久性が高くサビにくい金属屋根
ガルバリウム鋼板は、アルミニウム・亜鉛・シリコンでめっきされた鋼板で、近年非常に人気が高まっている屋根材です。最大の特長は、耐久性の高さとサビにくさです。軽量であるため建物への負担が少なく、耐震性の向上にもつながります。
また、シンプルなデザインはモダンな住宅によく合い、カバー工法にも最適な点も、ガルバリウム鋼板の特徴です。以前の金属屋根のイメージ(雨音がうるさい、夏に熱いなど)も、断熱材一体型の商品が登場したことで大幅に改善されています。
「ガルバリウム鋼板」で屋根リフォームした場合の費用相場
- 葺き替え: 100万円~180万円
- カバー工法: 80万円~150万円
アスファルトシングル|デザイン性が高く防水性に優れる
アスファルトシングルは、ガラス繊維の基材にアスファルトを浸透させ、表面に石粒を吹き付けたシート状の屋根材です。北米では非常にポピュラーで、日本でも採用が増えています。
シート状で柔軟性があるため、複雑な形状の屋根にも施工しやすく、ひび割れが起こりにくいのが特長です。表面の石粒が高級感を演出し、デザイン性の高さも魅力です。また、防水性にも優れています。
一方で、強風で剥がれやすい場合がある、経年で石粒が剥がれてくるといった点には注意が必要です。
「アスファルトシングル」で屋根リフォームした場合の費用相場
- 葺き替え: 90万円~160万円
- カバー工法: 70万円~140万円
粘土瓦(和瓦・洋瓦)|耐久年数が長く塗装メンテナンスが不要
粘土瓦は、粘土を焼いて作られる伝統的な屋根材で、日本の風景に馴染み深い「和瓦」と、欧風デザインの「洋瓦」があります。
最大のメリットは、非常に長い耐久年数です。素材自体は半永久的ともいわれ、塗装によるメンテナンスが必要ありません。断熱性や遮音性にも優れており、重厚感のある美しい外観を長期間保つことができます。
ただし、他の屋根材に比べて重量があるため、耐震性の観点では不利になる場合があります。また、初期費用が高くなる傾向にあります。
「瓦(和瓦・洋瓦)」で屋根リフォームした場合の費用相場
- 葺き替え: 120万円~200万円(※瓦から瓦への葺き替え)
- 漆喰補修など部分的なメンテナンス: 10万円~30万円
屋根リフォームを検討すべきタイミング
屋根の劣化は静かに進行し、気づいたときには深刻な状態になっていることも少なくありません。手遅れになる前に、適切なタイミングでリフォームを検討することが重要です。以下のようなサインが見られたら、専門家への相談をおすすめします。
屋根材にひび割れや欠けが発生した時
スレート屋根などで見られるひび割れ(クラック)や欠けは、劣化の初期症状です。小さなひび割れでも、放置すると雨水が浸入し、下地や建物の構造を傷める原因になります。特に、台風の後や、物が飛んできた後などは注意深くチェックしましょう。
色あせやコケ・カビなど見た目の劣化が気になる時
屋根の色があせてきたり、コケやカビ、藻が発生したりしているのは、屋根材の表面を保護している塗膜が劣化しているサインです。防水性が低下している証拠であり、屋根材自体の劣化を早めてしまいます。美観の問題だけでなく、屋根の機能が低下している警告と捉えましょう。
雨漏りが発生している場合は早急な対応が必要
天井にシミができている、雨の日にポタポタと水が落ちてくるなど、雨漏りの症状がある場合は、すでにお住まいの内部にまで被害が及んでいる状態です。放置すればするほど建物の躯体が腐食し、大規模な修繕が必要になってしまいます。雨漏りに気づいたら、一刻も早く専門業者に連絡し、原因調査と修理を依頼してください。
屋根や天井の雨漏り対策リフォームについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
>>屋根や天井の雨漏り対策ならリフォームが効果的!原因や修理費用
台風や地震など大きな自然災害の後
台風による強風や飛来物、地震の揺れは、私たちが思う以上に屋根にダメージを与えます。瓦のズレや漆喰の崩れ、棟板金の浮きなど、目に見える被害がなくても、細かな部分で問題が発生している可能性があります。大きな自然災害の後は、一度専門家による点検を受けると安心です。
築10年を超えたら専門家による点検を
屋根の種類や環境にもよりますが、新築から10年が経過したら、一度専門家による屋根点検を検討する良いタイミングです。特に問題が見つからなくても、プロの目でチェックしてもらうことで、劣化の兆候を早期に発見し、被害が拡大する前に対策を打つことができます。メンテナンス計画を立てる上でも、定期的な点検は非常に有効です。
屋根リフォームなら「アネシスリフォーム」
この記事では、屋根リフォームの費用相場を工法別・屋根材別に解説すると同時に、リフォームを検討すべきタイミングについてもご紹介してきました。
ご自宅の屋根に「ひび割れ」や「コケ・カビの発生」、そして「雨漏り」といった劣化のサインを見つけたら、早めに専門家へ相談しましょう。特に築10年を超えたら、一度プロによる点検を受けることをおすすめします。
熊本県のリフォーム会社「アネシスリフォーム」では、経験豊富な専門家がお客様のお住まいの状態を的確に診断し、最適なリフォームプランをご提案いたします。
屋根リフォームの費用や工事内容について丁寧にご説明し、ご納得いただいた上で施工を進めますので、まずはお気軽にご相談ください。