そもそも「ミニマリストリフォーム」とは?
ミニマリストリフォームとは、単に内装を新しくしたり、設備を交換したりするだけのリフォームではありません。「自分にとって本当に必要な最小限のモノで、最大限に心地よく暮らす」というミニマリストの哲学を、住まいづくりに反映させるリフォーム・リノベーションのことを指します。
具体的には、以下のようなアプローチが挙げられます。
- 不要な間仕切りをなくし、開放的な空間を作る
- 持ち物に合わせて造作収納を作り、モノの定位置を決める
- 凹凸をなくし、掃除がしやすい素材やデザインを選ぶ
- 家具を置かなくても済むような間取りを計画する
モノを減らす「引き算」だけでなく、暮らしやすさを追求する「足し算」の発想で、ストレスフリーな生活の土台を築く。それがミニマリストリフォームの本質です。
ミニマリストとシンプリストの違い
ここで、「シンプリスト」という言葉との違いを明確にしておきましょう。どちらも「シンプルな暮らし」という点では共通していますが、重視するポイントが異なります。
ミニマリスト | シンプリスト | |
重視すること | 必要最小限であること |
好きなモノや統一感があること
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モノの量 | 少ない | 量は問わない |
目的 | モノを減らすことで、時間や心の余裕を生み出す |
自分の好きなスタイルで、心地よい空間を作る
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ミニマリストが「量を減らすこと」に主眼を置くのに対し、シンプリストは「見た目の調和」を大切にします。例えば、ミニマリストはそもそもソファを持たない選択をするかもしれませんが、シンプリストはお気に入りのシンプルなデザインのソファを一つだけ置く、といった違いです。
どちらが良いというわけではなく、ご自身がどちらの価値観に近いかを考えることが、理想の住まいづくりへの第一歩となります。
ミニマリストリフォームで得られる7つのメリット
ミニマリストリフォームは、見た目がすっきりする以上に、暮らしそのものに多くの恩恵をもたらしてくれます。ここでは、代表的な7つのメリットをご紹介します。
掃除が圧倒的に楽になる
モノが少ない住まいは、掃除の手間を劇的に減らしてくれます。床にモノがなければ掃除機をかけるのは一瞬ですし、凹凸のない壁やフラットなカウンターは拭き掃除も簡単です。掃除が楽になることで、家を清潔に保つモチベーションも維持しやすくなるでしょう。
時間に追われなくなり心に余裕が生まれる
「掃除」「片付け」「探し物」。私たちが日々、無意識のうちに使っている時間は意外と多いものです。ミニマリストリフォームによってこれらの時間から解放されると、自分や家族のために使える自由な時間が増えます。時間に追われる感覚がなくなり、心にも穏やかな余裕が生まれるのです。
「探し物」がなくなりストレスフリーに
「あれ、どこに置いたかな?」という探し物の時間は、小さなストレスの積み重ねです。リフォームの段階で持ち物すべてに定位置(住所)を決めてあげることで、探し物は劇的に減少します。必要なモノがいつでもすぐに取り出せる環境は、想像以上に快適でストレスフリーです。
無駄遣いが減り経済的にも豊かに
住まいがすっきりと片付くと、「本当にこれが必要か?」「家に置くスペースはあるか?」と、モノを買う前に一度立ち止まって考える習慣が身につきます。衝動買いや不要なストックがなくなり、結果として無駄遣いが減って経済的にも豊かになっていくでしょう。
一つひとつのモノを大切にするようになる
多くのモノに囲まれていると、一つひとつへの意識は希薄になりがちです。しかし、厳しい選別を経て手元に残った「一軍」のモノたちは、どれも自分にとって特別な存在。自然と愛着が湧き、丁寧に扱い、長く大切にしようという気持ちが芽生えます。
空間が広がり家が広く感じられる
物理的なモノが減り、視線を遮る家具や壁がなくなることで、実際の床面積以上に家が広く感じられます。特に、リビングの間仕切りをなくしたり、吹き抜けを設けたりするリフォームは効果絶大です。開放感あふれる空間は、心にも広がりとゆとりをもたらしてくれます。
思考が整理され本当に大切なことが見えてくる
空間の乱れは、思考の乱れに繋がると言われます。逆に、物理的な環境を整理整頓することで、頭の中もクリアになります。家の中に情報量が少ないと、余計なノイズに惑わされず、自分が本当に大切にしたいことや、やりたいことに集中できるようになるのです。
ミニマリストリフォームのアイデアを場所別に紹介
それでは、具体的にどのようなリフォームを行えば、ミニマリストの理想の住まいが実現できるのでしょうか。場所別に具体的なアイデアを見ていきましょう。
【リビング】視線の抜けと余白で、家族が集う開放的な空間に
家族が多くの時間を過ごすリビングは、開放感と居心地の良さがテーマです。
- 間仕切り壁の撤去:隣接する和室やキッチンとの壁を取り払い、広々としたLDKに。視線が奥まで抜けることで、空間に広がりが生まれます。
- 造作テレビボード:壁面にテレビボードを造作し、床から浮かせる「フロートタイプ」にすれば、床面が広がり掃除も楽になります。レコーダーやゲーム機などもスッキリ収納できます。
- ダウンライト・間接照明:照明を天井に埋め込むダウンライトや、壁や天井を照らす間接照明を主役にすれば、圧迫感がなくなり、洗練された雰囲気になります。
- 壁や床の色を統一:白やアイボリー、明るいグレーなど、膨張色で統一することで、空間をより広く見せる効果があります。
【キッチン】「見せない収納」と動線計画で、料理が捗る空間に
モノが多く、生活感が出やすいキッチンは「隠す収納」が成功のカギです。
- 壁面収納・パントリー:壁一面に大容量の収納を設けたり、ウォークインタイプのパントリーを作ったりすることで、食器や調理器具、食材ストックまで全て隠して収納できます。
- 家電収納:電子レンジや炊飯器、トースターなども扉付きの棚に収納できるプランニングに。使う時だけ引き出して使えるスライド棚も便利です。
- 掃除しやすい素材選び:油汚れがつきにくいキッチンパネルや、継ぎ目の少ない人工大理石のワークトップなどを選ぶと、日々の掃除が格段に楽になります。
- 効率的な家事動線:キッチンから洗面所、物干しスペースへとスムーズに移動できる「回遊動線」などを取り入れると、家事効率がアップします。
【寝室】一日の疲れを癒す、最高にリラックスできる空間作り
寝室は、一日の疲れをリセットするための最もプライベートな空間。余計な情報を排除し、心からリラックスできる環境を整えましょう。
- ウォークインクローゼット(WIC):衣類はもちろん、バッグや季節家電などもまとめて収納できるWICがあれば、寝室に余計な家具を置く必要がなくなります。
- 落ち着いた色調の内装:壁紙やカーテンは、ベージュやグレー、ネイビーなど、心を落ち着かせるアースカラーや寒色系がおすすめです。
- 調光機能付きの照明:眠る前は光量を落としてリラックスムードを高めるなど、シーンに合わせて明るさを調整できる調光機能付きの照明が活躍します。
- ベッドヘッドの造作:コンセントや照明のスイッチ、スマートフォンを置けるニッチなどをベッドヘッドに造作すれば、サイドテーブルが不要になります。
【水回り(洗面所・トイレ・浴室)】清潔感を保ちやすく、機能的な空間に
水回りは、清潔感の維持しやすさが最優先。機能美を追求したデザインが光ります。
- 洗面所:収納と洗面ボウルが一体になった洗面化粧台よりも、カウンターとボウルを組み合わせ、下に空間が生まれる「フロートタイプ」の洗面台が人気です。鏡の裏がすべて収納になっている三面鏡も、細々したものを隠すのに最適です。
- トイレ:タンクのない「タンクレストイレ」は、見た目がすっきりするだけでなく、掃除も非常に楽になります。トイレットペーパーや掃除用品は、壁に埋め込むタイプの収納棚を設けると空間を圧迫しません。
- 浴室:カウンターやボトルを置く棚をあえて無くし、マグネットで壁に付けられる収納アイテムを活用するのがおすすめです。床材は水はけが良く、乾きやすいタイプを選びましょう。
【玄関・廊下】家の第一印象を決める、究極にスッキリした空間へ
「家の顔」である玄関は、常に美しく保ちたい場所です。
- シューズインクローク(SIC):靴だけでなく、ベビーカーや傘、アウトドア用品、コートまで収納できる土間続きのSICを設けるのが究極の解決策です。玄関に靴が一足も出ていない状態をキープできます。
- 壁付けの姿見:全身をチェックできる鏡は、壁に埋め込むか、薄型のものを壁付けにすると、出っ張りがなくすっきりします。
- 人感センサー付き照明:スイッチを探す手間がなく、消し忘れも防げる人感センサー付きの照明は、利便性と省エネを両立できます。
ミニマリストリフォームの費用相場
リフォームを考える上で、最も気になるのが費用です。ここでは、部分的なリフォームと、家全体をリフォームする場合の費用相場をご紹介します。
【部分リフォーム】内容別の費用目安
リフォーム箇所 | 内容 | 費用相場の目安 |
リビング | 間仕切り撤去、内装(12畳程度) |
40万円~100万円
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キッチン | システムキッチンの交換 |
60万円~150万円
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浴室 | ユニットバスの交換 |
70万円~150万円
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トイレ | タンクレストイレへの交換、内装 | 20万円~50万円 |
洗面所 | 洗面化粧台の交換、内装 | 15万円~40万円 |
造作収納 | 壁面収納(幅2.5m程度) | 30万円~80万円 |
※上記のリフォーム費用は、建物の状況、工事の範囲、使用する建材や設備のグレードによって大きく変動します。あくまで一般的な目安としてご参照ください。
【全面リフォーム(フルリノベーション)】広さ別の費用目安
間取りの変更を含む、家全体のリフォーム(フルリノベーション)の場合、費用は「平米単価」で計算されることが多くなります。
専有面積 | 費用相場の目安 |
50㎡ |
500万円~1,000万円
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70㎡ |
700万円~1,400万円
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90㎡ |
900万円~1,800万円
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※上記のリフォーム費用は、建物の状況、工事の範囲、使用する建材や設備のグレードによって大きく変動します。あくまで一般的な目安としてご参照ください。
内装をシンプルなものにしたり、間取りの変更を最小限にしたりすることで、費用を抑えることも可能です。
賢くコストダウン!リフォーム費用を抑える5つのコツ
理想を詰め込みたいミニマリストリフォームですが、予算は有限です。賢くコストを抑え、満足度の高いリフォームを実現するための5つのコツをご紹介します。
リフォーム内容に優先順位をつける
まずは「絶対に譲れないこと」と「できればやりたいこと」「今回は見送っても良いこと」をリストアップし、優先順位を明確にしましょう。予算に合わせて、優先度の低いものから削っていくことで、本当に必要な部分にお金をかけることができます。
既存のものを活かせる部分は活かす
まだ十分に使える窓やドア、構造上問題のない柱や壁などは、無理にすべてを新しくするのではなく、既存のものを活かす方向で検討しましょう。塗装や補修で美しく蘇るものも多くあります。
設備のグレードを再検討する
キッチンやお風呂、トイレなどの住宅設備は、メーカーやシリーズによって価格が大きく異なります。多機能なハイグレードモデルにこだわりすぎず、自分にとって本当に必要な機能を備えたスタンダードなモデルを選ぶことで、数十万円単位のコストダウンが見込める場合もあります。
DIYできる部分とプロに任せる部分を分ける
壁の塗装や簡単な棚の取り付けなど、自分たちの手でできる(DIY)部分があれば、その分の工賃を節約できます。ただし、電気工事や水道工事、構造に関わる部分など、専門的な知識と技術が必要な工事は、安全のために必ずプロに任せましょう。
複数の会社から相見積もりを取る
リフォーム会社によって、得意な工事や提案内容、そして見積もり金額は異なります。必ず2~3社から相見積もりを取り、内容をじっくり比較検討することが重要です。単に価格の安さだけで決めるのではなく、担当者との相性や提案の質なども含めて、信頼できるパートナーを見つけましょう。
熊本でミニマリストリフォームをするなら「アネシスリフォーム リ;コーデ」
ミニマリストリフォームは、単に住まいを物理的に変えるだけではありません。それは、これからの人生をより豊かに、より自分らしく生きるための「暮らしの再設計」です。
そのためには、お客様一人ひとりの価値観やライフスタイルを深く理解し、理想の暮らしを形にするための最適なプランを提案してくれる、経験豊富なリフォーム会社の存在が不可欠です。
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