「こどもエコすまい支援事業」とは?
「こどもエコすまい支援事業」とは、「子育て支援」と「2050年カーボンニュートラル」という2つの大きな目的に向けて、子育て世帯や若者夫婦世帯が「高い省エネ性能を有する住宅の新築」や「住宅の省エネ改修(リフォーム)」などを行う際に、補助金が交付される事業のことを指します。
リフォームは「一般世帯(50代・60代など)」も対象!
こどもエコすまい支援事業は、「注文住宅の新築」、「新築分譲住宅の購入」、「リフォーム」の3つに分かれており、「リフォーム」に関しては子育て世帯・若者夫婦世帯以外の“一般世帯”も対象になります。
ここでいう一般世帯とは、50代や60代の方々も含まれます。あとで詳しくご説明しますが、「一般世帯」と「子育て世帯・若者夫婦世帯」の違いは補助金の上限額です。
「こどもエコすまい支援事業」の対象期間
「こどもエコすまい支援事業」の、工事請負契約および工事実施の対象期間、また交付申請の期間は以下のとおりです。
工事請負契約日の期間
契約日は問いません。着工までに締結された工事請負契約が対象となります。
着工日の期間
2022年11月8日~交付申請まで(遅くとも2023年12月31日)
交付申請の予約
2023年3月31日 ~ 予算上限に達するまで(遅くとも2023年11月30日まで)
交付申請の期間
2023年3月31日 ~ 予算上限に達するまで(遅くとも2023年12月31日まで)
※お早めの申請をおすすめします。
※締切は予算の執行状況に応じて公表されます。
※交付申請の予約を行っている場合、当該予約期限または2023年12月31日のいずれか早い日まで交付申請が可能です。
「こどもエコすまい支援事業」の補助金上限額
「こどもエコすまい支援事業」の補助金上限額は、『子育て世帯または若者夫婦世帯』と『その他の世帯(法人を含む)』で異なります。
『子育て世帯または若者夫婦世帯』の補助金上限額
子育て世帯と若者夫婦世帯の定義は、以下の通りです。
- 子育て世帯:申請時点において、2004年4月2日以降(令和5年3月31日までに工事着手するものについては、2003年4月2日以降)に出生した子を有する世帯を指します。
- 若者夫婦世帯:申請時点において夫婦であり、いずれかが1982年4月2日以降(令和5年3月31日までに工事着手するものについては、1981年4月2日以降)に生まれた世帯を指します。
『子育て世帯または若者夫婦世帯』の、リフォーム補助金の上限額は以下の通りです。
●既存住宅を購入しリフォームを行う場合
- 居住要件:自ら居住
- 補助金上限額:60万円/戸
●購入を伴わない既存住宅のリフォームを行う場合
- 居住要件:自ら居住
- 補助金上限額:45万円/戸
ここでいう「既存住宅の購入」の定義は以下の通りです。
- 不動産売買契約の締結時に完成から1年以上経過している住宅であること(不動産登記で確認)
- 不動産売買契約の締結が、2022年11月8日(令和4年度補正予算(第2号)閣議決定日)以降であること
- 売買代金が100万円(税込)以上であること
- リフォーム工事の工事請負契約の締結が、不動産売買契約の締結から3ヶ月以内であること
- 工事発注者が『子育て世帯または若者夫婦世帯』に該当しない場合、購入する住宅が安心R住宅であること
『その他の世帯(法人を含む)』の補助金上限額
『子育て世帯または若者夫婦世帯』に該当しない世帯(一般世帯)に対する補助金上限額は以下の通りです。
●既存住宅(安心R住宅に限る)を購入しリフォームを行う場合
- 居住要件:自ら居住
- 補助金上限額:45万円/戸
●購入を伴わない既存住宅のリフォームを行う場合
- 居住要件:自ら居住
- 補助金上限額:30万円/戸
※「安心R住宅」とは、特定既存住宅情報提供事業者団体登録制度(安心R住宅制度)を利用し、安心R住宅調査報告書が発行された住宅のことを指します。
「こどもエコすまい支援事業」の対象リフォーム工事
ここからは、「こどもエコすまい支援事業」の対象となるリフォーム工事をご紹介していきます。
いずれかが必須のリフォーム工事
【必須】①開口部の断熱改修(ガラス交換、内窓設置・外窓交換、ドア交換)
【必須】②外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
【必須】③エコ住宅設備の設置(太陽熱利用システム、節水型トイレ、高断熱浴槽、高効率給湯機、節湯水栓)
必須①~③と同時に行う場合のみ補助対象となるリフォーム工事
④子育て対応改修
⑤防災性向上改修
⑥バリアフリー改修
⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
⑧リフォーム瑕疵保険等への加入
上記④~⑧のリフォーム工事について、補助金額など詳しくはリ;コーデまでお気軽にお問い合わせください。
【必須】開口部の断熱改修リフォームの基準や補助金額
必須となる「開口部の断熱改修リフォーム」について、対象となる工事の基準や補助金額をお伝えしていきます。
対象となる工事の基準
必須となる「開口部の断熱改修リフォーム」は、次の4種類のうちいずれかに該当する断熱改修が対象となります。
【1】ガラス交換:既存窓を利用して、複層ガラス等に交換する工事をいいます。
【2】内窓設置:既存窓の内側に新たに窓を新設する工事、および既存の内窓を取り除き新たな内窓に交換する工事をいいます。
【3】外窓交換:既存窓を取り除き新たな窓に交換する工事、および新たに窓を設置する工事をいいます。
【4】ドア交換:既存のドアを取り除き新たなドアに交換する工事、および新たにドアを設置する工事をいいます。
対象工事内容ごとの補助金額(省エネ基準レベル)
【省エネ基準レベル】における、「開口部の断熱改修リフォーム」の、対象工事内容ごとの補助金額は以下の通りです。
●ガラス交換の補助金額
- ガラス面積1.4㎡以上:9,000円/枚
- ガラス面積0.8㎡以上1.4㎡未満:6,000円/枚
- ガラス面積0.1㎡以上0.8㎡未満:3,000円/枚
●窓の断熱改修(内窓設置・外窓交換)の補助金額
- 窓面積2.8㎡以上:23,000円/箇所
- 窓面積1.6㎡以上2.8㎡未満:18,000円/箇所
- 窓面積0.2㎡以上1.6㎡未満:15,000円/箇所
●ドア交換の補助金額
- 開戸1.8㎡以上/引戸3.0㎡以上:34,000円/箇所
- 開戸1.0㎡以上1.8㎡未満/引戸1.0㎡以上3.0㎡未満:30,000円/箇所
対象工事内容ごとの補助金額(ZEHレベル)
【ZEHレベル】における、「開口部の断熱改修リフォーム」の、対象工事内容ごとの補助金額は以下の通りです。
●ガラス交換の補助金額
- ガラス面積1.4㎡以上:12,000円/枚
- ガラス面積0.8㎡以上1.4㎡未満:9,000円/枚
- ガラス面積0.1㎡以上0.8㎡未満:3,000円/枚
●窓の断熱改修(内窓設置・外窓交換)の補助金額
- 窓面積2.8㎡以上:31,000円/箇所
- 窓面積1.6㎡以上2.8㎡未満:24,000円/箇所
- 窓面積0.2㎡以上1.6㎡未満:20,000円/箇所
●ドア交換の補助金額
- 開戸1.8㎡以上/引戸3.0㎡以上:45,000円/箇所
- 開戸1.0㎡以上1.8㎡未満/引戸1.0㎡以上3.0㎡未満:40,000円/箇所
なお、リフォーム工事をおこなう窓の性能によっては、「先進的窓リノベ事業」においてより高い補助を受けられる場合があります。詳しくは、先進的窓リノベ事業の「対象要件の詳細」ページをご確認いただくか、リ;コーデまでお問い合わせください。(「こどもエコすまい支援事業」と「先進的窓リノベ事業」を重複して申請することはできません)
【必須】外壁、屋根・天井又は床の断熱改修リフォームの補助金額
必須となる「外壁、屋根・天井又は床の断熱改修リフォーム」の補助金額は以下の通りです。
対象工事内容ごとの補助金額(省エネ基準レベル)
【省エネ基準レベル】における、「外壁、屋根・天井又は床の断熱改修リフォーム」の補助金額は以下の通りです。
●断熱材最低使用量以上の場合
- 外壁:112,000円/戸
- 屋根・天井:40,000円/戸
- 床:69,000円/戸
●部分断熱の場合
- 外壁:56,000円/戸
- 屋根・天井:20,000円/戸
- 床:34,000円/戸
対象工事内容ごとの補助金額(ZEHレベル)
【ZEHレベル】における、「外壁、屋根・天井又は床の断熱改修リフォーム」の補助金額は以下の通りです。
●断熱材最低使用量以上の場合
- 外壁:151,000円/戸
- 屋根・天井:54,000円/戸
- 床:92,000円/戸
●部分断熱の場合
- 外壁:75,000円/戸
- 屋根・天井:27,000円/戸
- 床:46,000円/戸
「外壁、屋根・天井又は床の断熱改修リフォーム」について、対象となる製品の基準などご不明点がございましたら、リ;コーデまでお気軽にお問い合わせください。
【必須】エコ住宅設備の設置リフォームの補助金額
必須となる「エコ住宅設備の設置リフォーム」の補助金額は以下の通りです。
設置台数によらず、設置を行った設備の種類に応じた補助額とするもの
- 太陽熱利用システム:24,000円/戸
- 高断熱浴槽:27,000円/戸
- 高効率給湯機:27,000円/戸
- 蓄電池:64,000円/戸
設備の種類に応じた補助額×設置台数の合計を補助額とするもの
- 節水型トイレ(掃除しやすい機能有):20,000円/台
- 節水型トイレ(掃除しやすい機能無):19,000円/台
- 節湯水栓:5,000円/台
「エコ住宅設備の設置リフォーム」について、対象となる製品の基準などご不明点がございましたら、リ;コーデまでお気軽にお問い合わせください。
3省連携補助金事業と組み合わせることで「最大245万円」!
国土交通省、経済産業省、環境省の3省が連携し、新たな補助事業 「住宅省エネ2023キャンペーン」が創設されました。
これは、この記事でもご紹介した国交省「こどもエコすまい支援事業」のほかに、経産省・環境省「住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等」、経産省「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」の3つの補助事業を組み合わせたキャンペーンです。
いずれの補助事業も、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた、家庭部門の省エネを強力に推進することを目的としており、3省が連携することでその効果を更に高めようという狙いがあります。
各補助事業の予算
なお、それぞれの補助事業予算は以下のとおりです。
①経産省・環境省「住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等」:予算1,000億円
② 経産省「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」:予算300億円
③国交省「こどもエコすまい支援事業」:予算1,500億円
(①リフォームのみ / ②③新築・リフォームの合計)
各補助事業の内容・補助額
各補助事業の内容や補助額は、以下の表をご覧ください。
「住宅省エネ2023キャンペーン」の申請期限など詳しくは、以下の記事をご覧いただくか、リ;コーデまでお気軽にお問い合わせください。
「こどもエコすまい支援事業」のことなら「リ;コーデ」まで
この記事では、「子育て支援」と「2050年カーボンニュートラル」2つの目的に向けて創設された国交省「こどもエコすまい支援事業」補助金について、概要や対象期間、リフォーム補助金上限額、対象リフォーム工事内容などをご紹介してきました。
断熱リフォームやエコ住宅設備の設置を考えている方にとっては、とてもお得な補助金ですので、ぜひ活用を検討してみましょう。また、若い世帯の方や子育て世帯の方にとっては、さらに補助金上限額がアップしますので、該当する方は積極的に利用したいところです。
「こどもエコすまい支援事業」について、さらに詳細についてご質問や、補助金が適応されるリフォーム工事についてのご相談は、「リ;コーデ」までお気軽にお問い合わせください。